お子様の体調変化の際、参考になる”よくある病気”をご紹介します。お子様の急な発熱や湿疹、嘔吐・下痢、健康に関するご相談など、何でもお気軽にご相談・お問合せください。
マイコプラズマ菌が肺に感染することによって発症する病気で、「しつこい咳と発熱・だるさ」が特徴の病気です。初期段階では聴診器による呼吸音では判別しづらい肺炎ですが、外来受診で治療できます。
しかしながら近年、薬の効きにくいマイコプラズマ肺炎も増えてきており、注意が必要です。
学童期から青年期によくみられ、幼児では肺炎にまで進むことは希な病気です。風邪症状くらいで治ることが多かったのですが、最近は幼児でも肺炎が見られるようになってきました。
また、2〜3週間と潜伏期間が長いのが特徴で、周囲にマイコプラズマにかかった人がいたら、注意が必要です。
細菌やウイルスなどの病原体による感染症で、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルス感染による胃腸炎が多く、毎年秋から冬にかけて流行します。
感染経路には病原体が付着した手で口に触れることによる接触感染や、汚染された食品を食べることによる感染(経口感染)があります。
ノロウイルスでは、吐き気・おう吐・下痢・発熱・腹痛が1〜2日程続きます。予防接種や特別な治療法は無く、対症療法が中心です。
ロタウイルスでは、おう吐・下痢・発熱が主な症状で、乳児ではけいれんを起こすこともあり、感染しても発症しないケースも見られ、軽い風邪のような症状の場合もあります。予防接種ワクチンがあり、乳幼児を中心に接種を受けることが行われています(任意)。
乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがあるため、早めの受診が大切です。
通常、学校の体育でプールが始まる6月頃から徐々に増えはじめ、7〜8月頃をピークに10月頃まで流行が見らるアデノウイルスが原因の感染症です。アデノウイルス自体
は1年中活動しており、夏以外にかかることもあります。
主な症状は、結膜炎、咽頭痛、発熱で、症状が現ない不完全なケースもみられます。
急な発熱と喉の痛み(咽頭炎)が現われ、結膜炎に伴って、目の痛みや充血、かゆみ、目やに、まぶしくなったり涙が止まらなくなったりします。ただし、流行性角結膜炎に見られるような、角膜の濁りがでることはほとんどありません。
このほかにも「腹痛、下痢、咳」を伴うこともあります。3〜5日程度で症状は改善します。まれに肺炎など重症化する注意が必要な感染症です。
耳の下あたりが腫れや痛みが特徴の”おたふく風邪”、ムンプスウイルスに感染することによって起こる感染症です。ヒトからヒトへの飛沫感染で感染し、ウィルスの潜伏期間は2〜3週間と潜伏期間が長いのが特徴です。
病原性が弱く、免疫力により症状が現れないケースが30〜35%と高いため、知らない間に人にうつしてしまい感染を拡げる原因にもなっています。
主な症状は、耳の下・頬の後ろ側・あごの下といった耳下腺部が腫れて、通常は片側からはじまります。1〜2日間で腫れが両側に拡がりますが、片側しか腫れないケースもみられます。
1歳未満の幼児の場合は、症状が表に現れないケースも多くみられますが、顔のまわりが普段より丸い、エラが張った感じがする、食欲が落ちたなどの症状が出たら”おたふく風邪”が疑われます。
大人が感染・発症したケースでは、人によっては40度を超える高熱になることがあり、この高熱により精巣炎や睾丸炎と言った生殖器に障害を受ける重い症状が伴うことがあるため注意が必要です。
予防にあたっては、予防接種を受けることをお奨めします。予防接種や過去におたふく風邪をによって免疫が出来上がっていれば、再感染の可能性を押さえることができ、もし感染した場合でも、軽度の症状でおさまる効果が期待できます。
夏季に流行する夏風邪のひとつで、保育園や幼稚園など、幼児が集まる場所で集団発生することがあります。
手足口病の初期症状は、「口の中の痛み」や「口内の白い発疹」が生じ、外見的に判別することが出来ます。
また通常の口内炎と異なり、掌や甲、足の裏、手足の指の間にも白い水疱が生じ、最終的には2〜3mm程度の水疱性発疹となります。
多くの場合、口内の発疹には痛みやかゆみがのに対し、手足は痛みやかゆみを伴いません。また、発熱するのは3人に1人くらいの割合で、38度以下の微熱で終わることが殆どです。
発熱やリンパ節、発疹が主な症状となる感染症です。子供よりも成人の方が感染者は多く、症状は強くなる傾向があります。また、妊娠中に風疹ウイルスに感染した場合、先天性風疹症候群となるリスクが高い病気でもあります。予防にはワクチンが有効でもあります。
ヒトからヒトへの飛沫感染で感染し、2〜3週間の潜伏期間(鼻・咽頭部の粘膜でウイルスが増殖し始めた約1週間後)を経た後、大量のウイルスが血液を介して全身を巡り発症します。
主な症状は。「38度以上の発熱」、「発疹」、「後頭部や首、耳の後ろのリンパ節の腫れ」があげられ、すべての風疹患者に発熱(60〜70%程度)がみられるわけではありません。また感染しても症状が出ないケースが15〜20%程度存在します。「3日はしか」と呼ばれる通り、3・4日でこれらの症状は改善に向かいます。
予防接種は小児には1歳と年長の2回にMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)が定期接種として行われており、成人に対しても、市町村によっては、妊娠を希望する女性及びそのパートナーに対し、助成によるワクチン接種を奨めている自治体もあります。生まれてくる赤ちゃんの先天性風疹症候群を防ぐためにも、予防接種をお奨めします。
初期症状として倦怠感、食欲の低下、頭痛などと共に37度前後の発熱が見られ、発症そ2〜3日すると赤い発疹が全身に出始めます。初期症状は軽く、発疹がお腹などに現れることにより水疱瘡ではないかと気づく場合も多くあります。発疹の広がりには個人差もあり、口の中にできる事もあります。
潜伏期間は約10〜21日間で、初期症状の数日前から発疹がかさぶたになるまでは感染力が非常に高く、咳やくしゃみによる飛沫感染や、タオルやドアノブなどを触ることによって感染します。
特効薬があるわけではありません。多くの場合”亜鉛化軟膏”という白塗り薬が処方され、発疹の炎症がひどくならにようにします。
小さなお子さんは掻きむしってしまうことよって水疱が破れ、感染拡大に繋がったり、他の細菌感染による化膿を引き起こしてしまうことがあるため注意が必要です。
水疱瘡は生ワクチンを接種することで予防することが可能です。平成26年10月から定期接種のワクチンとして指定され、1歳のお誕生日から3歳のお誕生日の前日までで2回接種します。
細菌が皮膚に感染することで発症し、人にうつる病気です。
虫さされやあせもを掻きむしったり、皮膚の小さな怪我に”黄色ブドウ球菌”や”化膿レンサ球菌”などの細菌が入り込み、感染することで発症します。
掻(か)きむしった手を介して、火事の火の粉が飛び火するように全身に広がる様子が似ているため、”とびひ”と呼ばれています。
”アトピー性皮膚炎”や”伝染性軟属腫(みずいぼ)”、”汗疹(あせも)”に症状がにていますが、”とびひ”は人にうつることや”黄色ブドウ球菌”が作る毒素が血液に入り込むことによる「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」、”化膿レンサ球菌”による”とびひ”治癒後希に発症する「腎炎」を防ぐためにも、自己判断せず受診されることをお奨めします。